JSC-JRFU-大分県別府市連携ラグビー国際交流プログラム

日本ラグビーフットボール協会(JRFU)は、2018年12月4日から6日にかけて、タグラグビーを活用した共生社会の実現を目指す活動をアジアンスクラムプロジェクトの一環としてラオスの首都ビエンチャンで行いました。タグラグビーを競技として活用するだけでなく、「ノーサイド」や「ワンフォーオール・オーフォーワン」といった日本のラグビー界が大切にしている精神も活用した本プログラムは、競技力向上や競技(ラグビー)の普及を主な目的として活動してきたJRFUにとって新しい挑戦となりました。

本プログラムは、JRFUと日本スポーツ振興センター(JSC)ならびにラグビーワールドカップ2019開催都市である大分県および公認チームキャンプ地である別府市とが連携し「スポーツ・フォー・トゥモロー(SFT)」プログラムとして実施したものです。障がい者教育や障がい者スポーツに長年注力している大分県別府市は、本プログラム実施以前からラオスの障がい者(スポーツ)対する国際協力をすでに実施しており、その関係をより強固にすることが本プログラムの目的のひとつでもありました。また、本プログラムは、ラオスで障がい者活動を長年支援しているNPO法人アジアの障害者活動を支援する会からの協力も得て実現に至りました。

まず、初日にラオスラグビー連盟(LRF)とラオスでラグビーを活用した社会開発プログラムを実施しているChildFundを訪問し、障がい者へのラグビー普及の現状と可能性についての意見交換を行いました。ここでは、日本のラグビー(スポーツ)のノウハウと大分県別府市が持つ障がい者教育の知見を融合させることで、ラオスにおける障がい者へのラグビー普及が促進できるとの期待が表明されました。また、教育スポーツ省生涯スポーツ局への訪問では、日本によるラグビー競技そのものとラグビー精神を活用したラオスでの障がい者教育発展に対する貢献が期待されました。

二日目は、大分県・別府市関係者による共生社会や障害者教育に関する講演が行われました。次に、タグラグビー資格講習会を開催し、そこには政府関係者、ラオスラグビー協会関係者、教員養成校関係者37人の参加がありました。この講習会では、タグラグビーに触れたことのない参加者に対して、タグラグビーやその指導に関する知識の提供が行われました。

三日目は、知的障がい者と聴覚障がい者が参加するタグラグビーワークショップを開催しました(のべ101名が参加)。タグやラグビーボールを使ったゲーム(遊び)から始まったトレーニングは、最後にタグラグビーをプレーするまで少しずつ難易度を上げて実施されました。このワークショップは、ラオスでは一般的でない障がい者と健常者が一緒にプレーする機会となりました。途中、障がい者がプレーに対する恐れからプレーを中断したりすることもありましたが、障がい者と健常者がお互いの立場に歩み寄る様子が見受けられるなど共生社会実現に向けた第一歩となったように見受けられました。

本プログラムは、「ノーサイド」や「ワンフォーオール・オールフォーワン」の精神が共生社会との親和性を持っていることをJRFUが認識する機会となりました。くわえて、障がい者も対象としたラグビー普及が、ラグビーの発展だけでなく共生社会の実現に対して貢献できる可能性があることも認識できる機会となりました。今後は、ラグビーをプレーすることの楽しさの重要な一部であると考えられる「競争」と共生社会を実現するために重要だと考えられる「共生」という概念をタグラグビーの中に両立できるようなルール作りに取り組んでいきたいと思っています。また、ラグビーワールドカップ2019のレガシーとして、大分県・別府市による障がい者スポーツに関する国際協力活動をラグビーの普及活動と重ねながら継続的に支援できる可能性を探っていきたいとも考えています。

※本事業を “ラグビー精神”をラオスへ としてNHKに取材いただきました。