マダガスカル派遣青年海外協力隊(中野祐貴氏)活動報告

JICA青年海外協力隊のラグビー隊員として2017年9月からマダガスカルでラグビーの普及に取り組む中野祐貴さんにこれまでの活動について伺いました。 

私は首都アンタナナリボを拠点とし、主に7人制女子代表チームへの指導と地方巡回に取り組んでいます。マダガスカルではラグビーはサッカーに並ぶ人気スポーツで、街中でラグビーをしている子供達を見かけることもあり、毎週末にはクラブチームの大会が開催されています。女子代表は5月に行われたアフリカセブンス大会に出場し8チーム中4位とアフリカでは中堅クラスに位置しています。

地方巡回ではラグビーの強化に取り組んでいます。首都と比べ、地方はラグビーのレベルが低く実力差が大きいですが、首都の人々よりも体格的に優れています。ラグビー連盟としては地方のレベルを上げることでナショナルチームのレベルを上げたいと考えているようです。

マダガスカルでは練習のほとんどが試合形式で行われます。そのため、パスやタックルといった基本スキルが習得できていません。代表チームは国際大会の約3ヶ月前からチームとして集まり週3回練習しますが、国際大会がなく代表チームの練習がない期間には有志による練習会を開催し、基本スキルから練習しています。

また、ウエイトトレーニングは十分な数の器具がなく場所もないため、取り組めない状況でしたが、現在は週1回グランドでサーキット形式のトレーニングに取り組むようにしています。
当初は練習開始時間に通りに来る選手は少なかったため、ある程度選手の人数が揃うまで待っていました。しかし、遅刻しないように注意しても状況が変わらなかったことから、選手が少なくても定時になると練習を開始するようにしました。また、選手が集中して練習に取り組めるよう、練習時間も2時間から1時間30分に短縮しました。遅刻すると練習時間が短くなってしまうため、選手たちは次第に練習時間通りに来るようになり、選手たちの意識が少し変わったかなと感じました。

また、有志による練習会は代表選手に口頭で伝えたのみでしたが、口コミで練習会の存在を知った代表チーム以外の選手も数人参加してくれています。
練習に取り組む姿勢は伸びしろが十分あると感じますし、向上心を持って自主的に練習に参加する選手たちを尊敬しています。

マダガスカルラグビー連盟は普及、強化に力を入れていること感じます。しかし、資金不足から練習道具が不足していたり、練習ができなかったりします。
また指導者や選手に練習を提案したり問題点を指摘しても何かを言い訳にできない、やらないということがあります。でも、よくよく話を聞くと、例えば遅刻の原因は電気もなく日本では当たり前の洗濯機がないために洗濯も手洗いするなど家事にかける時間が多いことにあることが分かりました。そうした背景を理解することで、選手や指導者に対する自分の接し方も変わり、彼らの反応も変わってきたと思います。満足に言葉が伝わらない中で、その国の文化や人を受け入れることで理解を深めることの大切さを感じ、相手を動かす力も身に付けることができたと感じています。