ウズベキスタン派遣 青年海外協力隊(山本忠昭氏)活動報告

JICA青年海外協力隊のラグビー隊員として2017年7月からウズベキスタンでラグビーの普及に取り組む山本忠昭さんにこれまでの活動について伺いました。 

・活動について
ウズベキスタンの首都タシケントで主に活動をしており、地方都市に出向くこともあります。ウズベキスタンでは、いろいろな地域にクラブチームが有り、1年目は月に1度のペースで出向先を代え、地方都市ブハラも含め今までに7チームの練習に参加しました。各クラブチームには、10~20歳前後の選手が約20名程度所属しており、男女入り混じって練習しています。ラグビーの経験年数も様々で、始めたばかりの選手や3、4年プレーしている選手も一緒に練習をする為、パス回し等の基礎的な練習が中心となっています。世界共通な点だと思いますが、ゲーム形式の練習になるとみんなのモチベーションはとても高くなります。練習頻度もチームや季節によって様々で、週3回練習するチームや週6回練習しているチームもあります。

ウズベキスタンは砂漠が多い為、とても乾燥しています。気温は、夏は50℃近くまで上がり、冬は-15℃まで下がります。夏はとても暑いですが、日本と比べ湿度が高くなく、日陰に入れば涼しく感じる程です。その為練習の休憩中はみんな日陰に我先に向かいます。冬はとても寒い為、室内でウェイトトレーニングや体育館で練習することが多くなります。幾度か外でラグビーをしたのですが、骨の芯まで冷えてしまい私はずっと震えていましたが、子供たちは元気に走り回っていました。 

・苦労したこと
地方都市ブハラで1か月間活動したのですが、地域的にもラグビーを始めて数か月しか経っておらず、コーチもラグビーをプレーしたことがない方でした。最初に練習を見学した時に、前にパスはしなかったものの、アメリカンフットボールで見られるブロッキング(ボールを持っていない選手がディフェンスの邪魔をして道を作る)が行われ、バスケットボールで見られるアリウープ(山なりのパスを空中でキャッチしそのままダンクする)のようなパスがノールックで行われ、「これがラグビーだ!そうだろ?」と言われたのにはビックリしました。そこから、ラグビーはブロッキングは反則でしてはいけないプレーであること、ノールックのアリウープパスではなく味方を見て相手の胸元にパスをすることを覚えてもらう為、YouTubeからラグビーの動画をダウンロードして皆に見せたり、エクセルで図示した資料を見せてみんなで勉強したりしました。一から一緒に頑張ったかいもあり、ブロッキングはあまり見られなくなりましたが、ノールックアリウープパスは癖になってしまっている為、まだまだ改善の必要があります。ブハラで子供たちとラグビーが出来たのは1か月だけでしたが、一緒にご飯を食べに行ったり、サッカーを観戦したりとラグビー以外でも一緒の時間を過ごし、とても楽しい1か月でした。現地の子供たちから今でも「次はいつくるんだ、次はいつくるんだ」と順番に連絡が回ってきます。2年目もまた是非行かせていただきたいと思っています。

・派遣前のコーチ経験について
私は中学生の頃よりラグビーを始め、高校、大学を経て、社会人になってからも派遣される直前までクラブチームでプレーしていましたので、コーチとして指導したことはありませんでした。

派遣前の技術補完研修コーチングについて学んだほか、JRFU主催の講習会でWorld Rugbyのコーチ資格取得して活動に備えました。 

・ウズベキスタンラグビーの特徴
ウズベキスタンでは、格闘技等の個人競技が有名で、柔道やボクシングといった他の格闘技からラグビーに異動してきた選手が多くいます。その為、負けん気の強い子が多い印象があります。走りの競争をした際などにも、負けそうになると「滑った」や「スパイクを履けばもっと速い」等と言っている子供たちを見かけます。

この1年の間に2回ウズベキスタン国内大会が開催されました。私がまだ訪れたことがない地域からもラグビーチームが首都タシケントに集まり、男子7チーム女子5チームで2日間に亘って7人制ラグビーの試合を行います。トロフィーやメダル、賞状ももらうことが出来る為、いつも以上に負けん気を発揮してプレーしています。15人制の試合もありますが、私が一緒にプレーしている子供たちは、7人制ラグビーに参加することが多いです。

・残り1年の抱負
派遣1年目は、ウズベキスタンラグビーの一員となれるよう、一緒に汗水流しラグビーをしてきました。そのかいあって、コーチから「自分のチームに足りない部分はなにか」等の相談を受けたり、「山本が来ると選手もみんなポジティブになるし、楽しくラグビーが出来ている」と言っていただいたり、いろいろな地方都市のチームより「自分たちのチームにはいつ来てくれるんだ」等の嬉しい言葉をかけてもらえるようになりました。また、選手たちからも「お前は俺の兄弟だ」とも言っていただけることが嬉しく、活動の原動力となっています。

私は、中学生の時のコーチからラグビーの楽しさを教えていただき、そのおかげでウズベキスタンにも来ることが出来ました。残り1年では、選手にラグビーをより好きになってもらえるコーチに自分がなると同時に、そのような指導が出来るコーチを1人でも多く増やせるよう取り組んでいきます。