第三週 インド指導者派遣 活動報告(5/13-24)

今回のインド代表合宿の“ゴール”は「アジア選手権に出場し勝利すること」。

私の“ミッション”は、3つ。 
①インド代表の強化
②インドラグビー文化の改善
③インドラグビーと日本ラグビーの架け橋となること

結論から言うと、アジア選手権での2試合(vs Thailand / vs Chinesen Taipei)で勝利する事ができず悔しい結果となりました。
40名からスタートした代表合宿は最終的に26名に。
日本では考えられないバックグラウンドを持った選手も多く、通常はラグビーをする時間も確保できないなか、代表に選ばれる為に合宿では各々がベストを尽くしてくれたと思います。

合宿に参加してくれた全ての選手と関係者の皆さんに感謝したいと思います。ありがとうございました。

そしてゴールを達成できなかったことを申し訳ないと感じています。

インドラグビーはとても強くなるポテンシャルがあると思います。
しかし、ラグビーの環境はけっして良いとは言えません。

日本では当たり前と思っていたことが、当たり前ではないことばかりです。
例えば、

・グランドは芝と土の中間のようなデコボコな状態で、雨が降るとプールに変わる。
このため、翌朝のジョークは「今日は皆でスイミングする?」。インドの選手はジョークが大好き。

・気温は常時45度前後、時折強風が吹く為、体感温度は50℃を超える。そのため練習は早朝と夕方にしかできない。

・水は各自が用意する。厳しい暑さのため、練習中に何度も水休憩を挟む必要がある。ウォーターブレイクはパニピヨ!と叫ぶと皆が笑い、ダルピヨ!と叫ぶと大爆笑になります。ちなみに、ドゥトピヨ!と叫ぶと、一部の人が爆笑します。
※パニピヨは「お水をください」、ダルピヨは「お酒を飲め!」、ドゥトピヨは「ミルクを飲め!」の意味。

・ボールは長く使い込んでいるため全部つるつる。マーカーの数も少なく、タックルダミーなどの練習道具は一切ない。

・日本から持参したディスク型のマーカーが非常に役立ったたが、地元の子どもがディスクマーカーをブーメラン代わりに遊びだすので、練習前にセッティングしても、置いたはずの場所にディスクマーカーはない。

・グランドのラインは自分たちで引く。毎日引くのではなく、特別な日のみ近所の子どもたち引いてくれる。22mラインや10mラインの目印がなく、周囲の樹木を目印に引く。

・街灯のようなライト1つの照明がグランドに数本あるが、十分な明るさとは言えない。ところが、不思議なことに暗闇でもある程度のプレーができ、それどころか暗闇での練習はテンションも少し高くなる。

・いつもは自分を優先するのに、何かあるとすぐ仲間のもとへ走り出す。おかげで、たびたび熱い現場に遭遇することができた。とにかく「熱い」人間ばかりだった。

・無数の野良犬が練習中のグランドで遊び出したと思うと、信じられないほど多くのモスキート(その数100匹以上!)に襲われる。

など、日本では想像すらしなかった経験に数多く遭遇しました。

最後に。

私の“ミッション”は、3つ。
①インド代表の強化
②インドラグビー文化の改善
③インドラグビーと日本ラグビーの架け橋となる

振返るとミッションを達成できたのかわかりません。
彼らに何を残せたのかもわかりません。

ただ、同じ時間を共に過ごし共に悔し涙を流せた経験は、インドラグビーに一滴の貢献はできたのかもしれません。

インドラグビーはとても強くなるポテンシャルがあります。
何故か?と問われれば、彼らはラグビーを心から楽しんでいるからです。

そんなインドラグビーが、私は大好きです。
とにかく言える事は、どの世界に行ってもラグビーはラグビーで、ラガーマンはラガーマンでした。
国の違いや言葉は障害にはなりませんでした。

インド代表に貢献する為に海を渡ったはずが、私の方が勉強させてもらうような貴重な経験ができました。
今後もインドと日本の懸け橋になれるよう彼らとの交流だけでなく情報交換や知識の共有などをしていきたいと思います。

インドラグビーに関わるすべての皆さん、ありがとうございました。

1・2・3Bharat!!